新自由主義の顧客優先が機能しないとき

オミクロン株の猛威で第6波の真っ只中であるが、テレビに出てくる人たちが、感染者数を「大変だ大変だ」といいながら、自分がかかっていないことを自慢げにしているのは妙な感じである。

新型コロナの症状は深刻で、この深刻さをメディアは伝えないようにしている。感染した人たちの苦しみを軽く見ているのである。新自由主義は顧客優先と宣伝しているが、感染やこれが原因での死に対しては冷ややか、無関心、無視を決め込んでいる。政府は国も地方も命を軽く扱うのが、新自由主義の小さい政府である。メディアも率先して政府の事実上の犯罪に加担して何とも思わないようになっているようだ。メディアも偏差値教育の勝者たちの就職先になったからであろうか。権力者や支配層の価値観を宣伝する媒体になって自らの恥を恥としないで、政府のプロパガンダを垂れ流している。政府の言うとおりといってれば成立する民放ニュースショーのサラリーマン・アンカーを見ていると、地上波テレビは報道もダメになっていることがよくわかる。テレビの時代の終わりは、テレビ報道の大本営従属で終わるのかも知れない。情けないことだが、テレビの報道関係者がそれを恥ずかしいとも情けないとも思わずに、それらしいことを言っていれば成立すると踏んでいるのかも知れない。ジャーナリズムではなくなっているわけだ・・。

コロナで亡くなった人数も正確に伝えているのかどうか。検査なく、亡くなった方のなかにはコロナだったという人がいるだろうに・・と思う。死因不明社会になっているので、死後死因の特定をどれくらいしているのだろうか・・。

NHKは「ニュースセンター9時」の時代に政府と距離をとったリベラルなニュースを確立した。アンカーだった磯村尚徳氏から、バトンは続いてきたかに見えたが、現在もはやその片鱗なし。終わった・・という感じ。

民放は久米宏筑紫哲也の時代の活力はなく、たいして見識もないような人たちがアンカーになってしまって・・という惨状。自民党に寄り添う宣伝ニュースを流して恥としないようである。

これから戦前戦中のような時代へ日本だけ戻るのだろうか。わからないが、その可能性は高くなってきた。