公益の観点

テレビ朝日のドラマづくりの酷さについてちょっと書いたが、「相棒」や「科捜研」はヒット作ではないかしらん・・という疑問は当然起きる。だらだら長く続けて、だらだら見ることができるという意味ではロングランのシリーズものである。アメリカのシリーズドラマと似ているかも知れない。「未解決の女 警視庁文書捜査官」は政府の文書改竄が続く時節柄タイムリーだと思ったが、実際に納得のいくのは2~3回で、やはりテレ朝的な低空飛行の作品になって見るのを止めてしまった。「京都迷宮案内」も設定を変えながら長く続いたが、見てよかった・・と言えるレベルのものは数回くらいしかない。設定やキャラクターも面白いのに、なぜ中身のないスカスカになるのか、やはりわからない。外注モノでドラマとしては長く続くが、玉石混交で、4~5回に1回くらいまぁまぁのデキという回がある程度である。仕方がないのだろうと思う。テレ朝はニュースを棄て(報道ステーションは見なくてもよいニュース番組――大昔の民放ニュースに逆戻り――になってしまった)、ドラマもパッとせず、夜中にバラエティばかりやっている。これも芸人頼みの番組で、視聴者の惰性視聴頼みになっている。これも仕方がないのだろうと思う。フジテレビの不調が伝えられるが、番組内容から見て、ほんとうに深刻なのはテレ朝であろう。

東京の民放、日テレ、TBS、フジ、テレ朝、テレ東の5局がほんとうに必要かと言われると民放5局は多過ぎるのかも知れない。むしろネット配信で政府に忖度しない普通のニュースを流してくれるようなサイトが出てきたらよいのにと思う。マスコミも腐敗しているので、できれば海外ニュースをずっと流してくれるような配信サイトがあると助かる。huluがCNNとBBC、TV5MONDEを流している。NHKBSが早朝から夕方まで、海外ニュースをかいつまんで紹介する番組を流しているが、あれで十分である。

「テレビの時代」の終わりは報道番組において端的に現れている。海外ニュースはまだジャーナリスト精神のある報道姿勢を維持しているので、海外ニュースをそのまま流してくれた方がよいような気がしている。NHKではなく民放ではなく、日本でもBBCニュースを常時放送した方が公益になる。

有料配信サイトが流しているノンフィクションやドキュメンタリーが面白いので、日本の民放はいらない・・という感慨が湧く。公益を考えると、東京キー局5局体制は需要と供給の関係から、供給過剰になっているのではあるまいか・・。NHKEテレと緊急放送の時のニュースでよいような気がしている。消費税10%時代、NHK受信料が減額されれば、家計は大いに助かるだろう。高い受信料を払って、アベ政治翼賛番組を見せられるのは拷問である。スーパーでちょっと買い物をすれば、消費税10%が重税だということがよくわかる。ちょっと買っただけでこんなにとられるという感覚は、有権者に深く浸透している。市民社会は一見自民公明政権を支持しているように見えるが、ある日決壊・倒壊して、ちょうどソ連が倒れたような倒れ方で、改憲勢力がジャックした政権が潰れる日があるかも知れない。現政権に特段異議申し立てをせずに、突然盤石に見えた支持が決壊・倒壊するような日がくるのではあるまいか?