疲れてきているのではないか?

バラエティのトーク番組をTVerで見ていると、トーク番組全体の低迷を感じる。面白くないのである。身内の話ばかりしているからでもあるが、芸人の話にパワーがない。それなりに番組は話題になり、ネットニュースで紹介されるトークの内容も、たいしたことがない。暴言のたぐいで話題になるのは論外としても、芸人の話がことごとく面白くない。無理なキャラをつくって出てくるタレントは仕方がない。芸人の話がほんとうに面白くないのである。似たような番組で似たような話を延々としているので、皆疲れているのではないかと思う。演者たちが自分たちのトークやギャグに飽きているという部分が根にあるのではあるまいか。テレビの作り手も疲れてきているのかも知れない。テレビの時代は終わり、テレビは衰退産業になりつつあり、勢いが消えている。お金は集まらず、人(優れた人)も集まらず、仲間内で派閥的に助け合いばかりしていれば、全体的に調子が低くなるのは当然かも知れぬ。

芸人番組全盛だが、まもなくこれは凋落の時期が来るだろうと予想している。これまでもテレビは歌番組がなくなり、時代劇がなくなり、巨人戦の中継がなくなり、トレンディドラマが沈み、いま政府に癒着したメディアの時代になると報道番組は見る価値をなくしている。情報番組も政府礼賛の道具と化しただけでなく、見る時間が無駄と思えるほど内容がなくなっている。そのなかでドラマはまともなものがあるが、視聴率は基本的に低迷している。

80年代90年代のテレビ人の傲りがいま刈り取られているという感じで、あの頃の傲り高ぶったメディア関係者とその取り巻きたちの雰囲気にとうとう天罰が訪れたと感じるくらい、テレビの世界は凋落している。ある意味テレビ人の傲りに天罰が下るのは当然だから、それはそれで良いと思うのだが、ここまでテレビ番組が沈む時代になり、芸人がわちゃわちゃする番組も力を失うのが目に見えるようになり、おそらくこの産業はこのまま衰退へ向かうだろうというところまで、こんなに早いスピードで進むとは思わなかった。テレビ人たちの傲慢がとうとうここで潰えるのかと思うと、よかったと思う。テレビには被害を受けた人たちが多いはずだから、テレビ時代の終わりを被害を受けた人たちは心の底で喜んでいるだろう。業界人風の空気で番組でしゃべっている人がいると、時代が終わったことがわかっていないのだな・・と思って見ている。それだけでなく、テレビ時代の終わりに気づかない業界人のような人たちが非常に哀れに見える。それが良かったと思うのだ。テレビ産業の衰退は多くの人にとって、救いである。テレビの傲慢から、私たちは解放されようとしているのだから。