後半戦

TBS「最愛」を見る。橘しおりを殺してしまった。皆が少しずつ殺人に(意図せずに、あるいは意図的に)関与するというインクリメンタルな犯罪の話しで、登場人物を減らすと展開は苦しくなるはず。結局殺人の決め手となった行為をしたのは誰かはまだわかっていないし、「なぜ」と「どのように」についてもハッキリしていない。このもやもや感と主人公の恋愛(そして登場人物たちのお互いに近親者と友を思う気持ち)が物語の2つの求心力になっている。

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ドラマは後半戦に入ったが、謎解きの部分が陳腐であれば、一気に冷めるかも知れない。それなりに説得力があれば、近年のドラマのなかでは傑作という評価になるだろう。

橘しおりの科白で、犯罪をした息子について父親が謝罪しなかったと憤るシーンがあったが、悪いことをしても「謝らない」という部分は最近の日本及び日本人そのもの、卑怯という他ないのだが、いまのこの国はそういう国だし、そういう人々がのうのうと生活している国である。

思い出す実際の事件もあるのだが、これは書かなくても視聴者の多数が感じていることだ。TBSも当事者だったではないか・・と思うのだが、ドラマのネタとしてこういうかたちで入り込んで物語が進んでいく。

このドラマは数字がそれほど上がらないという記事をネットで読んだが、上がらなくてもよいので、最後まで満足のいく話しであってほしいと願う。ここまでは、ほんとうに面白い作品。