1300人超

東京都の小池百合子知事は31日、1300人以上の新型コロナウイルスの感染者を確認したと報道陣の取材に明らかにした。都内では12月26日の949人を上回り、過去最多を更新。これで17日連続で曜日ごとの最多を更新した。(朝日新聞デジタル 2020年12月31日)

 「東京都で新たに1300人超の感染確認 過去最多を更新」という見出しで15時過ぎに配信された。自民公明政権も東京都知事も無責任な発言を繰り返してきた。マスコミも政権の報道統制に従って感染の状況をまともに伝えていない。go to で人を動かしただけでなく、国・財界・マスコミは安易な旅行熱を煽ろうとしたので、人々のあいだに油断が広がったのではないかと見ている。

covid-19について、科学的知見に基づいた啓蒙が少ないだけでなく、専門家の助言を聞かずに国政も地方政治も動いてきた。マスコミは政府の言いなりの報道を続け、福祉医療の社会基盤を削減し続けた新自由主義の政治を批判しなかった。夏からいくらでも対処の方策があったにもかかわらず、政府はgo toにこだわり失政を続けている。PCR検査を充実させ対処する自治体の動きは報道せず、中身のない記者会見を繰り返す政治家に光をあて、彼ら彼女らの方針の実効性について問わなかった。マスコミは責任追及をしないので、首相ほかが多人数で会食をしてもまともな批判がなく政権は揺るがず、放縦な権力行使を容認する結果となっている。

海外ニュースを見ていると、それぞれの国は他国の動向などかなりきちんと報道しているし、covid-19をめぐる医学知識を共有しようとする姿勢も見られるが、日本のマスコミは適当に流して報道している。ワクチンについて、欧米の報道はワクチンの負の側面についてもしっかり伝えようとするが、日本は期待感だけ煽ろうとする。一人ひとりの選択に必要な情報を提供せず、政権の方に顔を向けて忖度を続ける。欧米より陽性者・死者が少ないと開き直る政治家・官僚、財界人、マスコミ、しかし、感染者が少ないからよい、死者が少ないからでよいというわけにいかない。罹った人たち、その周囲の人たちにとって、数は関係なく、自分が大丈夫か、身近な人が大丈夫か、である。

マスコミが極右政権の愚民政策に協力することで、秩序が保たれているように見えるが、苦しむ人々亡くなる人々へのケアはなく、事実上見捨てる報道を繰り返しているのである。権力と同調するのはマスコミで、報道姿勢があまりにも権力寄りで、政権の失政を誰も批判できない状態をつくりだしてしまった。日本のマスコミは非常にcriminalだ。「最悪の大晦日」になってもマスコミはまともに報道していない。数を伝えるだけである。自民公明政権の傲慢にどこまでつきあうのか。内閣支持率低下で綻びは見えていると考えるべきか。自民公明政権とマスコミが一体になった情報操作が続くなかで、極右政権の放縦が続けば、どうなるか。自民公明政権を退場させリベラルな社会民主主義的な政権を樹立しない限り、covid-19終息への道筋は遠いのかも知れない。米国でトランプが退場することを思えば、リベラルへの回帰は可能な選択肢になるはずだが、まだ清和会的な極右政治と愚民政策を続けるつもりだろうか。